こんにちは、akaruです。
今回は綾辻行人さんの『十角館の殺人』のあらすじと感想をご紹介します。
- 綾辻行人さんデビュー作であり、新本格ミステリーの先駆けとなった作品
- 孤島を舞台としたクローズドサークルミステリー
- 原作小説のほか、コミックリメイク、Huluオリジナルドラマ、舞台など展開されている
『十角館の殺人』作品概要
『十角館の殺人』あらすじ
半年前に起きた、角島青屋敷・謎の四重殺人。
天才建築家・中村青司を含む四人が亡くなった事件であるが、未だ不可解な点も残されていた。
その事件の舞台となった孤島・角島を、K大学推理小説研究会に所属する学生たちが合宿として訪れる。
合宿は一週間で、その間は通称「十角館」と呼ばれる「青屋敷」の離れに滞在する予定であった。
最初は冗談まじりで“嵐の山荘”を引き合いに出す彼らだったが、やがて連続殺人が現実のものとなる。
一方本土では、告発文めいた手紙を受け取った元ミス研会員の河南が、半年前の事件について調査を始める。
『十角館の殺人』感想
推理小説研究会
『十角館の殺人』は、K大学推理小説研究会の学生たちが角島に向かっているところから始まります。
読み始めて最初に目を引くのは、登場人物たちの名前です。
日本が舞台の小説だと思っていたのに、カタカナの名前が飛び交います。
しかも、なんだか聞き覚えがある名前。
それもそのはずで、K大学推理小説研究会では、欧米のミステリ作家の名にちなむニックネームで呼び合うという慣習がありました。
角島に向かった7人は次の通りです。
いずれも有名なミステリ作家で、ミステリファンでなくともエラリイやポウ、アガサなどは見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
作家名にちなむニックネームで互いを呼び合うなんて、若干の厨二っぽさはありますが、”推理小説”研究会らしくて楽しそう。
また、そういった設定を使うことも面白いと感じました。
そして誰もいなくなった
『十角館の殺人』は、孤島・角島を舞台とした連続殺人事件が起きるクローズドサークルミステリーです。
読み進めるうちに、とある作品を連想する方も多いのではないでしょうか。
それは、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』。
『そして誰もいなくなった』のあらすじと感想はこちらをご覧ください。

『十角館の殺人』は『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品としても知られています。
舞台が孤島であること、登場人物が一人ずつ殺されていくなど共通点があり、作中でも『そして誰もいなくなった』に触れられています。
私は『そして誰もいなくなった』を先に読んでいたので、共通点を見つけるのも楽しかったです。
もちろん、両者ではトリックのメイン要素が異なります。
私はかなり終盤になるまで、誰が犯人か見抜くことができませんでした…。
- 『十角館の殺人』が構造的に『そして誰もいなくなった』のネタバレになってしまう
- 『そして誰もいなくなった』→『十角館の殺人』の順に読むことで、オマージュ作品として『十角館の殺人』を楽しむこともできる
もう一つの事件
角島での連続殺人と並行して、本土でも別のストーリーが進行します。
ミス研の元会員である河南による、過去の事件の再調査です。
半年前に起きた「謎の四重殺人事件」。
死んだとされる中村青司が実は生きているのではないか?という仮説をもとに調査を進めていきます。
島と本土。
離れていても共通のテーマで進むのだな、と単純に思っていました。
単なる場面転換ではなく、重要な要素を含んでいることを後になって思い知りました。
衝撃の一行
『十角館の殺人』といえば、「衝撃の一行」という謡い文句も有名です。
ミスリードに次ぐミスリードでまんまと騙されました。
本作は1987年の作品。
「外部から隔絶された」というのは現代では起こりにくい状況ですが、この作品の面白さは変わらないかと思います。
マンガ版も読みましたが、設定が現代に寄せてあって若い人でも物語に入りやすそうで良いと思いました(原作はもちろん好きです)。
ドラマ版もHuluで配信中なので、是非ご視聴ください。
館シリーズ:『十角館の殺人』の次の作品
『十角館の殺人』は「館」シリーズ第1作です。
第2作は『水車館の殺人』です。


