理瀬シリーズ長編第1弾『麦の海に沈む果実』恩田陸【あらすじと感想】

日本の小説
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こんにちは、akaruです。

恩田陸さんといえば『夜のピクニック』や『蜜蜂と遠雷』など有名作が多数ありますが、シリーズものも複数展開していますね。

なかでも理瀬シリーズは、2024年に最新作となる『夜明けの花園』が発売されました。

本記事ではシリーズ長編第一弾である『麦の海に沈む果実』のあらすじと感想をご紹介します。

『麦の海に沈む果実』をおすすめできるのはこんな人
  • 学園ものが好き
  • シリーズものが好き
  • ミステリーが好き

『麦の海に沈む果実』作品概要

  • 著者:恩田陸
  • 発行:2000年
  • ジャンル:学園小説
  • シリーズ:「理瀬」シリーズ

『麦の海に沈む果実』あらすじ

水野理瀬が湿原地帯の全寮制の学園に転入したのは、二月最後の日だった。

学園ではファーストネームだけの存在となり、ファミリーと呼ばれる班に入る。

六学年いる生徒を縦割りにしているため本来12人いるはずだが、理瀬を迎えたファミリーは自身を含めても7人だった。

不思議に思っている理瀬に、同じファミリーの黎二は唐突に聞く。

「ーねえ、あんた、どうしてこんな時期にここに来たの?」

そして、このファミリーが少ないのはいなくなったからだと告げるのだった。

『麦の海に沈む果実』感想

三月の国

全寮制の学園。

学園物語が好きな人にとって、このキーワードを聞いただけでそそるものがあるのではないでしょうか。

生徒たちはそれぞれ事情があるため詮索はされませんが、学園に来た理由はゆりかご、養成所、墓場の三つに大別されます。

また、「三月の国」と言われるように、入学式も卒業式も三月に行われます。転入も通常三月で、理瀬の他にいたもう一人の転入生は実際三月でした。

校長や黎二が意味深なセリフで理瀬を戸惑わせますが、「三月以外の転入生は破滅をもたらす」といわれていたのでした。

魔法は出て来ませんが、どこかファンタジーを感じるお話です。

青春時代のはずなのにきらきらした要素はほとんどなく、読後はほろ苦いものが残ります。

『麦の海に沈む果実』の次に読むなら

『麦の海に沈む果実』は理瀬シリーズの長編第一弾です。

次に読むなら『三月は深き紅の淵を』をおすすめします。

『三月は深き紅の淵を』のあらすじと感想はこちらです。