こんにちは、akaruです。
恩田陸さんの名前は、『夜のピクニック』(本屋大賞受賞)や『蜜蜂と遠雷』(直木賞・本屋大賞W受賞)などで聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
シリーズものも複数展開している多産な作家さんですが、その中でも『六番目の小夜子』は恩田陸さんのデビュー作です。
NHKドラマで放送されていたので、そちらでご存じの方も多いかもしれませんね。
本記事では『六番目の小夜子』のあらすじと感想をご紹介します。
- 学園ものが好き
- 少し不思議なお話が好き
- ミステリーが好き
『六番目の小夜子』作品概要
『六番目の小夜子』あらすじ
県で一、二を争うその進学校には、生徒たちの間だけで受け継がれる行事がある。
それは三年に一度、三年生の生徒の中から「サヨコ」が選ばれるというものだった。
「サヨコ」の役目は誰にも知られることなく、いくつかの決まりを守りながら、次の「サヨコ」を指名すること。
「サヨコ」伝説は怪談めいたものやメルヘンチックなものなど様々あるが、「サヨコ」の成功・失敗によってその年の大学合格率に影響が出るとも言われており、一部の生徒たちからは畏怖されていた。
そして、六番目のサヨコの年。
三年十組に津村沙世子という謎めいた美少女が転校してくる。
『六番目の小夜子』感想
『六番目の小夜子』は、とある地方の公立高校に伝わる「サヨコ」伝説を巡る学園小説です。
キーパーソンとなるのは次の4人です。
青春のきらめき
『六番目の小夜子』はホラーやミステリーなど様々な要素がありますが、主軸は青春小説です。
受験生として勉学に励みつつ、高校生活最後の年を慈しむ。
友人たちとの他愛ないおしゃべりや、淡い恋。
それらが瑞々しく描かれています。
特に雅子と由紀夫は青春の象徴のようなキャラクターでした。
私はこの作品を最初に読んだのは高校生くらいだったと思いますが、大人になった今の方が心に響くものがあります。
自分の青春時代を振り返ってみると、平々凡々なものだったけれど、やはりかけがえのない時間だったのだなと思います。
子どもから大人へ
青春時代はきらめいているだけでなく、ある種の不安定さもあります。
雅子と由紀夫がまっすぐな青春時代の象徴とすると、対照的なのは秋と沙世子です。
この二人は子どもから大人への過渡期の象徴に感じました。
二人とも成績優秀。容姿もよくて人当たりも良い。年齢よりも大人びています。
しかし例えば、沙世子が人を唆すシーンがあり、唆された人は思った通りの行動をとるのですが、その時期については完全に見誤るというのがありました。
今までなんでもできたからこそ、自分にできないことがあることがわからない。
そのように感じられました。
サヨコ
『六番目の小夜子』には、ホラーめいた要素もあります。
生徒間で伝わる「サヨコ」とそれにまつわるエピソードです。
しかし作中の「お客さん」に対する考え方や、学園祭の劇のシーンなどにも共通していて、受け取る側が「怖いもの」だと認識してしまうことにまず原因があるのかなと思いました。
それでも、本当にホラーだったのか最後までわからないものもあるのですが、そのあたりは『丘の屋敷』(シャーリイ・ジャクスン)と似ているのかなと感じました。
スピンオフ『図書室の海』
『六番目の小夜子』のスピンオフとして、短編「図書室の海」があります。(同名短編集『図書室の海』に収録)
『六番目の小夜子』でも記述がある関根秋の姉・夏のお話です。
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恩田陸さん『六番目の小夜子』が気に入った方は、綾辻行人さん『Another』もおすすめです。
主に学園を舞台にしたホラーミステリーです。
また、綾辻行人さんは『六番目の小夜子』の単行本の解説を書いており、『Another』を書くにあたって意識した作品の一つとして『六番目の小夜子』を挙げています。
※ただし、『Another』の方がホラーだし描写もグロめです
『Another』のあらすじと感想はこちらをご覧ください。


