『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー【あらすじと感想】

海外の小説
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こんにちは、akaruです。

ジョン・ディクスン・カーといえば、有名な海外ミステリー作家の一人ですね。

本格ミステリ黄金期を代表する作家の一人で、その中でも『火刑法廷』はカーの代表作の一つです。

本記事では『火刑法廷』のあらすじと感想をご紹介します。

『火刑法廷』をおすすめできるのはこんな人
  • 推理小説が好き
  • 密室トリックが好き
  • 怪奇小説が好き

『火刑法廷』作品概要

  • 著者:ジョン・ディクスン・カー
  • 発行:1937年
  • ジャンル:推理小説

『火刑法廷』あらすじ

編集者のエドワード・スティーヴンズは、週末を過ごすため別荘に向かった。

夕食を摂ろうとしたまさにその時、友人であるマーク・デスパードの訪問を受ける。

約2週間前に亡くなったデスパード家の前当主マイルズ・デスパードの死因に毒殺の疑いが浮上し、疑われているのはマークの妻・ルーシーだと言う。

スティーヴンズたちはこっそり検死をしようと地下の霊廟を掘り起こすが、遺体は跡形もなく消え失せていた。

また、別の理由からスティーヴンズは自分の妻マリーに疑惑を向けていく。

『火刑法廷』感想

『火刑法廷』はデスパード家の前当主の死因への疑惑という、推理小説と怪奇小説が融合した作品です。

推理小説というよりゴシック・ホラーを読んでいる感覚に近く、全体に広がる不穏な雰囲気に惹きつけられました。

妻マリー

物語は、編集者のエドワード・スティーヴンズが列車で別荘に向かうところから始まります。

妻のマリーは先に別荘に到着しているため、スティーヴンズは一人でした。

スティーヴンズはその日の午後に受け取ったばかりの、人気作家ゴーダン・クロスの新作の原稿を読もうと取り出します。

クロスは実際に起きた殺人事件を題材にするノンフィクション作家で、スティーヴンズは原稿を読むのを心待ちにしていました。

ところが、添えられていた写真を見たスティーヴンズは驚愕します。

毒殺魔として七十年前にギロチンにかけられた女性が自分の妻と同じ名で、顔も本人としか思えなかったからです。

混乱してしまいますが、スティーヴンズは妻の先祖か親戚だろうと考えます。

そういうこともあるかもしれないなと思ったのも束の間、私はひやりとしたものを感じました。

  • スティーヴンズは、結婚して3年になる妻のことをほとんど知らない
  • しかも、出会いから2週間と経たないうちに結婚している

夫婦だからといって秘密の一つや二つあっても良いし、敢えて言おうとも思わない事柄なんて山ほどあるだろう、というのが個人的な見解です。

ですが、何やら不穏な予感とともに、ひょっとして…?という思いが頭をかすめます。

毒殺と遺体

スティーヴンズが別荘に着き、夕食を摂ろうとしたまさにその時、マーク・デスパードの訪問を受けます。

用件はマイルズ・デスパードの死についてでした。

  • 死因
    • 胃腸炎で亡くなったとされていたが、砒素による毒殺の疑いがある
  • ヘンダーソン夫人の目撃談
    • ヘンダーソン夫人が、マイルズの部屋に女性がいるのを目撃する
    • その女性は古めかしい服装を着て、マイルズに銀のカップを差し出していた
    • その後その女性は存在しないはずのドアから出て行った
  • 女性の服装が、仮面舞踏会に参加したルーシーの服装に似ている

マークは秘密裡に検死解剖するため、霊廟の封印を解くから力を貸して欲しいと言います。

ところが、スティーヴンズたちが霊廟に入ってみると遺体は跡形もなく消え失せていました。

警察関係者が登場してデスパード家の人間の容疑は晴れていきますが、今度はスティーヴンズの妻マリーに容疑が向けられていきます。

近所の家のお家騒動だと思っていたら、自分の妻に容疑がかかっていく。

最愛の人を頭では信じたい。

けれど、行動についての論理的な説明が難しい。

スティーヴンズの混乱がこちらにも伝わってきます。

ラスト

探偵役の登場のおかげで、事件は一件落着!…と思いきや。

ラストで2つ衝撃の展開が待っていました。

特に最後の最後。

賛否両論あるようですが、私は肯定派ですね。

あまり書くとネタバレになるので避けたいのですが、このラストがあることで

推理小説と怪奇小説の融合 → 推理小説の皮をかぶった怪奇小説

となります。

好みははっきり分かれそうですが、個人的にはおすすめしたい作品です。